

Miyoshi Kazuhiko
三善 和彦
Animation Director / Illustrator / Animator
Video Work 絵と朗読
名作をテレビで読む 絵本
岡本かの子作 「快走」
NHK BS-2
平成8年1月7日(日)
23:55~0:20放映
企画:中田実紀雄
構成・絵:三善和彦
音楽:田ノ岡三郎
朗読:大桃美代子

この番組はアニメーションではありませんが、日本の主に純文学を、多彩な顔ぶれによる朗読と、一作品あたり百枚近くの挿入画、それに一話毎に作曲された音楽によって伝えていこうとしたもので、NHKの衛星放送で3年間に渡り放送されました。
私が担当したのはこの一作品だけでしたが、今でももっと沢山の話を描きたかったと思っています。

話の内容は私が要約して書くより、原作をお読み頂いた方が良いでしょうから敢えて書きません。(25分番組ですから勿論短編です。)作者の岡本かの子は、あの「芸術は爆発だ!」の岡本太郎のお母さんです。
当時、放送を見てくれた知人から「小津安二郎と向田邦子だった」と言われました。思いっきり影響を受けていることが、丸見えだったようです。

手法は、全て草木染め・むら染めの和紙による貼り絵。使用した紙の種類は少し違いますが、基本的には『まんが日本昔ばなし』の「お浪草」の時と同じやり方で制作しています。
BS-2ではこの4:3の画面で放映されましたが、原画は16:9の横長で作っています。それは、当時スタートして間もなかったハイビジョン放送用も制作されたからです。


SDとHD、どちらでも成立する構図を求められたのが結構難題でしたが、当時の絵コンテには横長の画面の左右に「SDではここで切れますよ」という点線が描かれています。(クリックすると、拡大画像をご覧頂けます。)
それまでも同じ手法で沢山の貼り絵を作ってきましたが、フィルムになったものや印刷されたものを見て、原画の微妙なディテールが再現できていないことにガッカリすることばかりでした。(勿論、このサイト上の小さなJPEG画像などは問題外に再現性が低いのですが)でも、この作品のハイビジョン撮影に立ち会った時はモニター画面を見てびっくり。ひときわずば抜けて美しく再現されていたので、ハイビジョンは凄いと感動したのを覚えています。